日曜日の女たち

日曜日。外に出てみると、ビビった。人が溢れかえっている。人気歌手のコンサート会場からの帰り道のように、少し先に歩くのにも苦労するくらいだ。そしてほどなく、その「人」というのも、ほとんどがイスラム風の人間であることに気づく。というのも、頭に…

綾辻行人著『十角館の殺人』を読んで

かなり有名な作品らしく、「ミステリー」「推理」というジャンルで、よくレコメンドされるので、昔から名前は知っている。が、なんとなく古い作品だったので、読まずに放置していたけど、いい加減そろそろと、軽い気持ちでiBooksから購入。 あらすじは、閉ざ…

井上夢人著『ラバー・ソウル』を読んで

まず作者に関して。僕はこの井上夢人(いのうえ・ゆめひと)が描くサスペンスとダークネスが入り混じった小説が非常に大好きである。最初は岡嶋二人というコンビ時代の『99%の誘拐』という作品を読み衝撃を受け、『クラインの壺』で完全にノック・アウトさせ…

沢木耕太郎著『深夜特急(1) 香港・マカオ』を読んで

有名な旅行エッセイとして、ちょいちょい、この『深夜特急』という名前を目にしたことはある。が、ここにおさめられている地域や国に特に関心がなかったので、気にすることもなく放置していた。ただし今回、インターネットもテレビもない部屋で1週間あまり過…

伊坂幸太郎著『ゴールデンスランバー』を読んで

地上波だったかで映画版が放送されていたのを後半1/3くらい観て、続きではなく、前半が気になったので小説を読もうと思った。また大分前にも、小説がとてもおもしろいとの評判を耳にしたが、当時は文庫化されてなかったので見送った覚えがある。が、このたび…

衣食住に必要なもの

また香港に来た。今回は通常出張なのだが、会社としても、いい加減ホテル宿泊も金がかかってしゃーないということで、ちょうど数日前に日本に帰国したスタッフが住んでいたマンションで寝泊りすることになった。 場所は、香港島の銅鑼湾(コーズウェイベイ)…

香港転勤のお知らせ

2008年、僕が10年ほど東京で暮らして、さて金沢に帰省しようかと考えたときに、「金沢に新幹線が通る」というニュースが僕を後押ししたことは間違いない。2014年だか2015年だかに東京、金沢間も新幹線で結ばれ、金沢もこれまでの地方都市じゃなくなるだろう…

なんとなく四国に行ってみた

金沢から四国に車で行ってみた。 本州から四国に渡るには、主に3つの手段がある。1つが、大阪より東にいる場合に一番利便性が良い、明石海峡大橋(淡路島)を経由するパターン。2つ目は、知名度で言えばもっともメジャーであろう、岡山、香川間を結ぶ瀬戸大…

日本人が言う「おもてなし」って何だ?

先日、新大阪駅の地下で食事をしたときの出来事。その飲食フロアでは、各お店にトイレは設けられておらず、フロアにある共用のトイレを使うようになっていた。ので、食事をしている人は、一度店を出なければならない。で、僕は店を出て、案内矢印の方向に従…

(限りなき無駄)マカオに行ってきたんだ。

▼セナド広場 ▼聖ポール天主堂跡 ▼モンテの砦(大砲台) ▼どこかの公園 ▼リスボア・ホテル ▼ヴェネチアン・ホテル(カジノ) ▼ギャラクシー・ホテル(カジノ) ▼ウィーン・ホテル(カジノ)

「リリイ・シュシュのすべて」を観て

どんなに衝撃的なインパクトも、どんなにスペクタクルな感動も、時間が経つとともに色褪せていってしまうというのが人の常である。実際、若い時分、あれだけ何度読み返しても飽きのこなかった『ノルウェイの森』も、齢を重ねた後に手に取ったとき、さほど感…

レイモンド・チャンドラー著『ロング・グッバイ』を読んで

村上春樹訳ははじめて読んだ。2007年、最初に村上春樹訳が出たときは単行本だったため購入を見合わせた記憶がある。それで、いつか文庫が出るだろうと、待っているうちに、この文庫化を待っていること自体忘れてしまっていたわけだ。で、1月の長い出張の前に…

香港にやってきた@走ってみた

昨年台湾に行ったときの反省を基に、勉強してきた。海外での携帯の設定に関して、そして海外でのジョグ時の携帯設定に関して。 とはいえ、大層なことなどまったくない。iPhoneであれば「設定」内の「モバイルデータ通信」をオフにすれば良いだけだ。wifiエリ…

香港にやってきた@物乞い

僕がいるのは尖沙咀(チムサーチョイ)という香港の一等地。東京で言えば、銀座のようなエリアである。思いつく限りのブランド店が立ち並び、ペニンシュラホテルがそびえ立ち、港に出れば世界中の歓楽を集約したマカオに行く船も出ている。で、そのエリアに…

香港にやってきた@香港アラカルトその2

独り言 どういうわけか香港では、独り言や、鼻唄をうたっている人が多い。自由な人達だなと思っていたのだが、いい意味で動物的なのかなと感じてきた。自分の感情をストレートに表に出しているわけだ。特に鼻唄というのは、気分が良いことを具現化したような…

香港にやってきた@香港アラカルトその1

1週間ほど香港で生活してみて、適当に思うことがある。書き出してみる。 室内はクーラー 香港も北半球に属しているため、1月は冬という季節に区分される。だが、どの建物でも攻撃的にクーラーががかけられている。もともと外の気温は温暖で、最高気温は毎日2…

村上春樹著『アフターダーク』を読んで

一人称「僕」から決別し、三人称にシフト・チェンジした最初の作品ともいえる『アフターダーク』。時系列でいうと、2002年の『海辺のカフカ』(ナカタさんパートは三人称)に続き、2004年に発表された長編小説。三人称という文体がそうさせているのか定かで…

香港にやって来た@洗濯とは

いろいろあって、目下一週間ほど香港に居る。そんで月末まで居ることになっている。その後のことは、まだわからない。 で、まあ半月くらいのロング・ステイなので、これまでの旅行感覚では味わわなかった予期せぬ小さな小さな障害に出くわす。例えば、爪。今…

映画「寄生獣」を観て

高校のときに流行った漫画で、まわりに流される格好で読んでみたのが最初。1995年あたりだろうか。意味不明の寄生生物に身体を乗っ取られた人間が、“普通の”人間を食い殺していくというフィクション。正直、あまりノリ気で読みはじめたわけではなかったが、…

材料がなさ過ぎる

今年はすごくあっさりとした1年に感じた。一大ニュースであった消費税増税も、「2014年の出来事」と言われてもいまいちピンとこないほどなのだ。4年に1度のサッカー・ワールドカップも、結果がそうさせているのだろうがほとんど印象に残っていないし、野球も…

車の話

僕が乗っている車はダイハツのムーブという軽自動車になる。 東京に居た頃は、生活に車などなんら必要なく、優良ペーパー・ドライバーだった。そもそも僕は「車」というもの自体に興味関心がなかった。だから帰省して車が必要になったときも、当り障りのない…

乾くるみ著『イニシエーション・ラブ』を読んで

久しぶりに本を読んだ。一気に。長くはない物語なので1日で読むことができる。かなりおもしろかった。 まず、この本を読むに至った経緯としては、朝礼時に部下から「おすすめの本」として紹介されたから。普段、彼は小説を読まないそうだが、テレビの「しゃ…

釣り日記

僕は「海か山か?」と訊かれたら、俄然山派である。だから、海の生き物とかにも別段興味はなく、いろんな種類の魚がいることや、その違いに関する知識、うんちくにも関心はすれど聞き流す程度のものでしかない。ので、このゲームでも「釣り」というコンテン…

台湾に行ってきた@走れなかった話

思い出したかのように台湾の続き。 今回の旅行中の機内で、はじめて知ったのだが、台湾というピーナッツみたいな形をした島の真横に、日本の沖縄県西表島と石垣島がある。もうホントに真横だ。距離的には、石垣島から那覇市に行くよりも、台湾島に行くほうが…

伝説の調理職人への道

セカンド・キャラにてプレイしている「調理職人」が非常におもしろい。で、そんな職人活動のなか、今作において最大級に仕様が不透明となっている職人の「評判」に関しての記録をとってみた。 その前に、職人の「評判」がどういうものか説明しとく。今作では…

台湾に行ってきた@お茶の話

台湾はお茶で有名だそうな。観光ツアーのスケジュールで、台湾茶の試飲タイムというのが組み込まれており、どこかのお茶屋さんに連れて行かれ、お茶を飲まされ、購入を強く勧められる。まあ、よくある(というか、必ずある)旅行代理店とお店の提携による誘…

台湾に行ってきた@龍山寺の話

何の前置きもなく半年ぶりにブログでも書いてみる。台湾旅行のメモ。 親戚一同、12名の大所帯(うち1名が生まれたてで、あとイクラちゃん世代とタラちゃん世代各1名を含む)で、3泊旅行。個人的は、台湾に行くのは2回目で、この国にはなんとなくだが良いイメ…

台湾に行ってきたんだ。

▼龍山寺 ▼中正紀念堂 ▼九份

映画「永遠の0」を観て

たしか2013年12月公開の映画で、前々から気にはしていたのだが、今になってやっと観ることができた。 原作は2009年に発売され、僕が文庫を読んだのは2010年8月。名作の一言につきる。僕がどうこう言うより、毎年夏に書店に行くと必ずと言っていいほど、大々…

開発者インタビュー

今年、僕の中で唯一と言っていいくらいの、新しく広がった世界として、ドラクエの開発内部の顔を見ることができたということがある。 これまでは、ゲームなんて出来上がったものを買ってプレイしてただけ。どんな人がどんな風にそのゲームを制作したかなんて…