ローカル・フードを食べよう

 香港には日系の飲食店が多々あり、香港生活がはじまった直後はよくよく利用していた。味に馴染みがあるのは当然だが、店の雰囲気に戸惑うことはないし、なんといっても外国語でのオーダーのやり取りにビビる必要がない。そもそも店員さんも、注文するのに必要な日本語くらいはわかってくれているという安心感もある。ちなみに、日系レストランに行く度に、香港人が器用だなと思った一面があるのだが、日系のお店では香港人スタッフは皆「いらっしゃいませー」「ありがとございましたー」と日本語であいさつする。客が日本人でも香港人でも中国人でも「いらっしゃいませー」だ。もちろん、妙なアクセントの場合もあるが、とにかく接客マニュアルとして「日本語であいさつ」というのがあるのだろう。一方、日本で中華レストランに入店しても、店員は皆「いらっしゃいませー」と言い、「ニーハオ」とは言わない。もし、日本人のスタッフが日本人相手に「ニーハオ」とあいさつしたら違和感を感じるだろう。でもこういうところからも、日本人が外国語苦手意識をなかなか克服できない一つの要因が垣間見えるような気がする。香港人は日本のレストランで働いたら、自然と日本語であいさつするようになる。言葉の壁、外国語に対する抵抗がすこぶる低い環境なのだ。


 ともかく、日系の飲食店では、日本円換算すると日本で食べるよりかは1.5倍ほど高い値段となり、さらに10%のチャージ料(飲食店のみに発生するもの、絶対払わなければいけない)が上乗せされる。香港に慣れてくるに従って、割に合わないなと感じるようになった。


 で、言葉という恐怖感を感じながらも、徐々に香港ローカルのお店に行くようになった。同じように香港駐在している日本人は、誰もがいつかはブチ当たる壁だろう。ということで、何かの役に立てばと、僕なりのローカル店のハウ・トゥをまとめてみた。


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 たいていの香港のローカル店(茶餐廳:チャーチャンテン)には、メニューに番号やアルファベッドが割り当ててある。だから、オーダー時には、その番号かアルファベッドを伝えればいい。「ナンバー3、プリーズ」みたいに。すると、店員は、小さなメモ用紙に汚い字でテーブル番号とメニュー番号の3をメモしながら、十中八九次に何か聞いてくる。その質問の内容は「飲み物は何にする?」ということ。ので、「アイス・レモンティ」とか「アイス・ミルクティ」と言っておけば間違いない(サービスで付いてくるか3ドル程度の料金)。ただ「ミルクティ」とだけ答えると、アイスかホットか訊かれるから、一気に答える方が双方にとって手間が省ける。で、店によっては、メニューの辛さの度合い(ジョンラーと答えればいい、中辛という意味だ)や、ここで食うか持ち帰って食うか(ヒアかアウェイと答えればいい)を無愛想に尋ねてくる。注文時に訊かれること、交わさないといけない会話はこんなところだ。あとは特に言葉なんてわからなくても、なんとでもなる(店員もめんどくさい外人だとか思いながらも、無難な対応をしてくれる)。


 ちなみに、僕が最後の最後になって、気に入ってランチに何度か通ったのは、尖沙咀の尖東よりに位置するところにある「川婆婆(チュンポポ)」というお店。外賣(オイマイ)と呼ばれる、いわゆる出前もやってるが、わざわざ歩いてよく行った。ちなみにこのお店のランチでは、注文番号と辛さと飲み物を答えればいい。んで、回鍋肉で中辛を頼むと、信じられないくらいの唐辛子が掘り起こされる按配。HK$50程度(下の写真は、回鍋肉と麻婆豆腐。それでも合わせてHK$100しない)。日系のラーメンを食べれば、この倍くらいはする。辛いのが大丈夫な人にはおすすめである。


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◆川婆婆 – 香港尖沙咀的川菜 (四川)火鍋中菜館 | OpenRice 香港開飯喇