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「花とアリス」「四月物語」を観て

review

 Huluにて視聴。岩井俊二作品。


 まず「花とアリス」から。2004年公開で、順番的には「リリイ・シュシュのすべて」の次に発表された作品。当時、僕は劇場で観たのだが、事前公開されたウェブ版に関しては、1話くらいを観て、あとは観逃したと記憶している。あらすじとしては、女子高生2人と男1人の恋物語とでもいえばいいだろうか。


 まあ、当時は岩井俊二熱がピークだったこともあって、大絶賛だったのだが、改めて観てみると、寄り道や挿話が多い点と、BGMに関してレパートリーが少ないのが残念に思えた。良い曲なのだが、しょっちゅう流れてくると若干しらけてしまう。そして今回、2人のヒロインである鈴木杏蒼井優バランスが取れていないことが一番気になってしまった。2人のキャラ設定は申し分ないのだが、女優としての存在感に残念ながら差を感じたのだ。ちょうどこの頃から太りはじめた鈴木杏と、そこに居るだけで半端ないオーラ全開である蒼井優。だから心に響くセリフも、たいていは蒼井優が放っているもので、特に蒼井優平泉成のやり取りは何度観ても刹那なさが止まらないシーンである。電車に乗って別れるシーンの何気ないやり取り、カメラ・ワークが、個人的な一番の観どころ。ウォー・アイー・ニー。


 次、「四月物語」。この作品は、昔、契約していたケーブルTVのチャンネルで、24時間ずっと岩井俊二の番組を放送するというような日があり、それが1日おきに3回くらい続いたことがあった。さすがに24時間も映画を観続けることはできないので、寝る時間を少しずつずらしたり、ビデオに録画したりして、そのとき放送していた全部の作品を観たなかで知った作品。公開は1998年。僕が観たのは2002年とかだろうか。1時間程度の短編で、主演は松たか子松たか子みたいなメジャーな女優を使うなんて、岩井俊二らしくないなと思いつつも、予想外に印象に残る物語だったので覚えている。あとなんといっても、シンプルながら古典的かつ普遍的なイメージのあるタイトルが秀逸。


 北海道の田舎町から大学進学のために上京した女子大生を描いた作品。はっきり言って、ストーリー的には、さほど感銘を受けることもないのだが、映像の巧さがこの上ない。冒頭の桜舞う中の引越シーンなんかは、期待とか不安とか複雑な心理描写も含め、「上京」を絵に書いたような完璧な映像だと思う。もちろん自分の上京や大学の入学式と重ね合わせて観ていたのだが、まさに、このまんまという感想を持った。


 ただ、僕のなかで大きく思い違いをしていたことがあって、この話のラストは、くりぃむしちゅー上田晋也が出てくるものだとばかり思っていたが、それは「夏至物語」の方だった。そして、肩透かしをくらったためか、「夏至物語」も観てみたくなったのだが、Huluでは視聴できないようである。女性主人公1人のモノローグ調な話だったと思うのだが、今一番観たい作品かもしれない。