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映画「ポリス・ストーリー」を観て

review HongKong

 ながらでいいから、広東語を聞く機会を増やそうと思い、YouTubeで適当な動画を探してみた。ドラクエでもしながら、広東語の動画でも流して、耳に馴染ませておこうという思惑だ。で、どこかの誰かが日本語で広東語講座をしている動画などを流しているうちに、ジャッキー・チェン映画のオリジナルを観てもいいなと、「ポリス・ストーリー」のことを思い出した。で、多方面で同映画を探すのだが、日本語吹き替えのものしか見当たらず、でも探しているうちに、「ポリス・ストーリー」ってどんな話だったっけと気になりはじめ、広東語ではないのだが日本語吹き替え版を観ることにした。調べると1985年の作品。今から30年前ということになる。ちなみにシリーズとしては、1988年に「ポリス・ストーリー2」、1992年に「ポリス・ストーリー3」、1996年に「ポリス・ストーリー/ファイナル・プロジェクト」が発表されている。最近では、2013年に「ポリス・ストーリー/レジェンド」が上映されたが、シリーズとは無関係らしい。


 1985年の香港というとイギリス統治下時代である。でも映画を観る分には、今よりよっぽど中国っぽい。まあ中国に行ったことがないので、あくまでイメージからの感想であるが、とにかく原始的、開放的なのだ(まあ時代のせいなのだろうけど)。そして、ちらほら登場する街並みなどで知っている絵があるのではないかと期待したのだが、まったく僕の知っている香港は登場しなかった。まあ30年も昔だったら、日本で知ってる場所があってもピンとこないかもだけどね。


 ただ1つわかったのは、電飾をバチバチ壊しながらポールを滑り落ちていく有名なクライマックス・シーンで登場するショッピング・センターは、尖沙咀にある「永安廣場」というところだそうだ。ということで、さっそく足を運んでみた。尖沙咀駅(尖東駅でも可)出口P1を上がってすぐ目の前。



 しかし、実際に現場に行ってみると、まずポールが存在せず、当然、そのまわりをデコレートしていた電飾もない。というか、ショッピング・センターとして活気がなく、テナント募集になっている区画もいくつか見られた。あげく、ここでかの有名な「ポリス・ストーリー」が撮影されたというようなインフォメーションもなければ、その気配もない。時代遅れのおばさん臭いビルだったし、晩年のラブロ片町を思い出した。少なくとも香港に観光に来ても、わざわざ足を運ぶスポットではないだろう。


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 一方で映画を観ていると新しい発見もあった。こんなことは香港に来てみないとわからないことであるのだが、女性の立場が強いことや、二言目には「オレのせいじゃない」と言い訳する登場人物など、細かい部分で香港らしい演出がされていることに気づいた。これって「あるある」ネタで、クスっと笑う部分だったんだなと。確かにジャッキー映画では、恋人に振りまわされるというシーンがよくよく登場する。でもこの演出は、悪には強いが女には頭が上がらない主人公というキャラクターとしてのコミカルさというよりも、香港というお国柄としての力関係を描いたものだったことに今さらながら気づいた次第だ。


 ちなみにちょっと調べればわかることだが、少なくとも香港では、ここ数年ジャッキー・チェンの人気はイマイチなんだそうだ。アクション・スターとしての年齢的な衰えや露出の減少もあるが、政治的に偏った発言や失言が多く、香港人は愛想をつかしているのだとか。「永安廣場」で、ジャッキーのジャの字も、ポリス・ストーリーのポの字も見当たらないのは、そういう理由もあるのかもしれない。