母校嫌いからの

 僕はもともと自分の卒業した高校ってものがあんまり好きじゃありませんでした。特に、一浪して予備校で教わったことが非常に自分を成長させてくれたという思いから、「あの高校の3年間ってのは何だったんだ?」と霞んで見えたことが大きいと思います。むしろ無駄な時間だったと腹を立ててたこともありました。ので、大学に受かったときも、高校に挨拶には行かなかったのです。別に世話になってないしと。まあ、知ってる先生がいなかったというのものありますが、そもそも卒業して1年で話せる先生がいなくなるってことからも、恩義を感じる部分が少なかったように思います。


 ですが、2011年の暮れに、それなりの規模の同窓会があり、ここ数年、夏に野球部の試合を観てたら、そうでもなくなったかなという思いはあります。つまり、人相応に「ああ母校だな」と思う部分が強くなったわけです。


 で、その野球の試合でも、スタンドには在校生よりも、ふつうのおっさんやおばちゃんの姿の方が多く見られます。選手の父兄は、おそろいの応援Tシャツを着ているのでそれとわかるのですが、Tシャツを着ていない、一般オーディエンスが僕の想像してた以上にたくさんいるのです。もちろん僕がそうであるように、その人らは卒業生であるが野球部とは関係のなかった人もいるでしょう。それでも、わざわざ応援に駆けつけているわけです。そう思いながら、真夏の暑い真昼間に外で野球を観ていると、そりゃ母校への愛着というものは強くなってきます。そもそも、公立の野球部です。それ相応の評価があっても、甲子園に行く可能性というのは非常に低いのですが、気になって応援しているくらいですからね。


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 僕はどうもティーンの頃の青臭い自分を否定しがちというか、なかったことにして目を瞑っておきたい気持ちが強いのですが、地元で生活している以上、なかなかそういうわけにはいきません。自分の足跡を、ふとした瞬間に見つけてしまったり、見つけられることが多々あるのです。そういう意味では、ここ数年の高校野球観戦というのは、僕の中での価値観を変えてくれたイベントだったと言えそうです。まあこうやって、人ってまるくなっていくんでしょうね。