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『英智スタイル48』を読んで

review

 ドラゴンズ・ファンで、アンチ英智(ひでのり)な奴などいるのだろうか、否いないでしょう。そう断言できるくらい、ファンに愛されたプレーヤーだったと思っています。本名、蔵本英智


 一応、簡単に英智のプレー・スタイルを説明しておくと、守備、走塁のスペシャリストで、試合の終盤、1点を守り抜く場面、1点を奪い取る場面で登場することが多く、そして、我武者羅に突進するガッツあふれるプレーを見せて期待に応えてくれました。落合元監督の掲げた「一芸に秀でた選手」の代名詞とも言える存在。むしろ他球団のファンからも、英智の守備、肩、走塁は一目置かれていたはずです。まあともかく、その英智を世の中に知らしめることとなった2004年のバックホームを2つ紹介しておきます(少し画像が粗いのが残念ですが)。ちなみにこの年、レギュラーでもない守備固め要員にも関わらずゴールデン・グラブ賞を受賞しました。


■英智 レーザービーム 1 2004


■英智 レーザービーム 2 2004


 この鉄壁の守備の一方、打率は1割台、良くても2割程度という、天は二物を与えず的な偏った人間臭い能力と、ヒーロー・インタビューでの個性的な言動も相まって、非常に好きな選手でした。特に福留、立浪がチームを去ったあとは、一選手として「見たい」と思うのは、英智くらいしかいなくなったと言っても過言ではないほどです。昨年役を引退し、今年からはドラゴンズの2軍コーチになりました。


 そんな英智が本を出すというので、迷わず買ってみました。英智の万人における印象としては、オチャラケているキャラクターですが、書かれている内容は、非常に的を射ており、またどのアスリート本でも見られる「最後まで諦めない」「努力」「準備」というような出尽くしたくだりも、今まで見たこともない表現、視点で書かれていたため新鮮味がありました。使い古された文句も、英智が語るとこうなるのかと。

リンゴは3つしか抱えられないスタイル


 おいしそうなリンゴは、せいぜい3個までしか抱えられない。そこで4個目を抱え込もうと欲ばると、さっきまで持っていたうちの1個をポロリと落としてしまう。僕の中の想像のリンゴです。ご理解ください。
(中略)
 結論、「普通の選手」で終わりたくなければ、果敢に4個目を狙わなければならない道しか残されていないのです。ただ、今持っているリンゴの存在と、リンゴを落とすリスクを知っているのと知らない「ダメ元精神」とでの挑戦では明らかに違います。
 その苦労の末につかんだ4個目のリンゴだけが、ようやく周りの人に振る舞えるのです。そのことだけは、自分の体験で得た自分の方程式です。


 超一流選手よりかは、泥臭い努力を重ね、ときには縁の下を支えることに徹していた人間の言葉の方が心に響くことがあります。僕が今までに読んだアスリートの著書の中でも最高ランクに位置する内容です。おすすめ。


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