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君には、語られていないストーリーが見えているか?

 少し古い記事だけど、非常に感銘を受けたので紹介。まあドラクエの話しなんだけどね。


◆「ドラクエ6」が本当に目指したもの(1)バーバラと竜: かのろぐ(Kanohlogue)


 ドラクエ6に対して、「もしかしたらこうかもしれない」という可能性を想像してみたという一連の記事なのだが、とてもとても信憑性が高い。ふとした違和感や疑問点に対して、丹念にヒントと伏線を見つけ出して、最後は想像力を総動員し一つの仮説を導き出している。ここまで丁寧な検証をされると「きっとその通りだ!」と思わざるを得ない。


 ちなみに僕の場合、ドラクエをプレイするに当たって「早く先に進めたい。早くレベルを上げて強くなりたい」という気持ちが強いため、登場人物の話をほとんど聞いてない。例えば、新しい町にたどり着いて、いかにも何か知ってそうな王様に話しかけても「どこに行って、何を持って来くればいいか」という部分しか記憶せず、細かな舞台背景などAボタン連打でななめ読みしかしていない。ましてや町をうろついているその他大勢の庶民になど話しかけることもあまりしないという有様だ。こうやって、ピョンピョンと先に進むことを最優先している。たしかに、上記のサイトで言及があるように「あれ? こんなトコにもホイミンいるな?」とか、「なんでバーバラだけ夢の世界の人間って設定なんだろう?」とか、うっすらと「なんでコイツ、スライムメットを装備できるだ?」というような記憶はあるが、それ以上これらの違和感に踏み込むこともなく、ネットの攻略サイトを見ながらレベルを上げることや次の町に進むことを最優先しているわけだ。いわゆる効率厨。


 だから、上記サイトに書かれているような小さな違和感を集積して、語られていない物語を想像する、自らストーリーを創り出すということは僕にはできない。否、してみたいという願望はある。強くある。前作9のときも、クリア後に展開されるストーリーをノートに書き出して、結局何と何が結びついているんだろうと、今自分が冒険している世界をまとめてみたりもした。しかし、結局飽きて止めてしまった。まあこの辺の根気のなさが僕の限界とも言える。そしてこれだけドラクエをプレイしているにもかかわらず、何も読み取ってないなと自分に失望してしまったりもする。


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 しかし、ゲームでも映画でも小説でも、作者がわざと描かなかった隠れたストーリーがパラレルに存在しているもので、その見つけられそうで見つけられないもう一つの舞台を自分なりに想像しようと思うか否かが、オレ的名作になるか否かのボーダーだと思っている。村上春樹の世界もこの類だろう。そして村上春樹の「解説本」が売れてしまうことが、それを何より証明している。万人は「村上春樹は何を言いたかったのか?」を知りたくてしょうがないのだ。


 以前、ドラクエ25周年記念の書籍を買ったのだが、読み終えてどことなく物足りなさを感じたことを覚えている。というのは、各ドラクエ・シリーズにおいての冒頭で紹介したサイトのような裏ストーリーの紹介があると勝手に期待していたからだ。「実はこの話とあの話は結びついているんですよ!」みたいな。しかし、オフィシャルからの出版なので当然そんなところにまで言及はしていない。というより、そんなストーリーは自分の力で見つけ出さないといけないのだ。他人に頼ってはいけない。


 それにしても、冒頭の「ドラクエ6の正体」は、非常にするどい。2~3回読み返してもなるほどと思ってしまう。物語の楽しみ方ってのは、先を急ぐのではなく、立ち止まって踏み込むことにあるんだろうな。

その辺どこまで書くかという問題があって、書くことは出来るんですけれども、饒舌になってしまうし、それでは想像して楽しむという要素がなくなってしまうというのがありまして、匂わしてるのが必要なんです。


堀井雄二


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