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僕がた食べたうまいもん@味源(吉祥寺)

 ――オオシマさんには教えますけど、あの店、味噌が評判ですけど、実は塩が一番美味いんですよ。と後輩がドヤ顔で教えてくれたのが、吉祥寺にある「味源」というラーメン屋さんだ。


 僕が東京で食べたラーメンで断トツの好印象なのが、吉祥寺の「味源」。晩年、パルコの裏に引越ししたが、その前の近鉄デパートの裏にあった時分が全盛期だった。ラルフ・ブライアントの4打席連続ホームランを凝縮したような圧巻の一杯だ。


 まずなんと言っても具材の迫力。そぼろ肉とコーンが、それだけで小鉢に入れてサイド・メニューとして売れるくらいの量と美味しさ。太めの麺の歯ごたえ、そしてこってりの味噌とさっぱりの塩、どちらのスープもパンチ力があり、一口ひとくち、くぅ~と唸らずにおれない深みがあった。


 バンドの練習スタジオの近くにあったこともあり、当時のメンバーでよくよく出入りした。特にヴォーカルとドラムがお気に入りで、ドラム曰く「オレの中では今まで最下位争いをしてた味噌と塩が、一気に首位争いの順位にまで上がってきた」とも言わせるくらいの会心の味噌ラーメンと塩ラーメンだった。またある日、練習後に味源に行き、注文を待っていると、ヴォーカルがぼそりと「実はおれ、練習前にも味源食ってんだよね」と告白されたこともる。音楽よりも味源のラーメンに熱を入れていた時分の話だ。


 僕がラーメンを選ぶ際の最初の選考基準は「味噌か塩か」である。このきっかけをつくったのは、紛れもなく味源に他ならない。


 渋谷や国分寺にも同じお店があったが、具材の盛り付けのヴォリュームがまったく違い、全体的な味もおとなしく感じた。同系列店でもこれほど違うかというくらい、吉祥寺はダイナミックだった。


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 しかし、tabelogによると、吉祥寺の味源はもう閉店してしまっているらしい。確かにパルコの裏に移転してからは、味が若干変わり、迫力に欠けるものがあった。ごく普通のラーメン屋さんと同じかもなと思うこともなくもなかった。昔はもっと美味しかったから、次行けばきっともっと美味しいラーメンが食べられるはずと期待を抱かせるも、毎回それほどれもないという結果に終わる。そんな期待を裏切り続ける往年の名プレーヤーの背中のようにもの寂しいものがあった。諸行無常の響きあり。知らない間に閉店してたと知って、とてもさみしい気分になった。


◆味源 吉祥寺店 あじげん - 吉祥寺/ラーメン [食べログ]