帰国して1ヶ月

 帰国して1ヶ月経つが、意外すぎるほどすんなり日本に馴染めている気がする。まあ当たり前といえば当たり前で、そもそも生まれ育った国だし、街だし、これまでも定期的に返ってきていた場所だからだろう。最初に香港に引越したときのインパクトや、そのとき感じた希望や不安みたいなものは一切ない。そしてそれと反比例するかのように香港に居た3年半というのが、意外すぎるほどすんなり消え去ろうとしているのも事実。正直、そんなこと(香港で暮らしていたこと)もあったっけ、くらいの消え入りそうな記憶の中のひとつの出来事でしかない。ちょっと長い(海外)旅行だったくらいの温度感、かなりリアルに感じた夢くらいの存在感。


 香港に居た(今も居る)同僚に、この香港の生活は「人生における夏休みだった」と軽い気持ちでLINEしたのだが、自分で言いながらも本当に100点満点の説明だと思っている。だからこそ、香港に行って得たものって何かあっただろうかと考えてしまう。今の所、楽しいこともありましたね、くらいで終わってしまっている気がするわけだ。流石にそれでは、さみし過ぎる。東京から金沢に戻ってきたときは、もっと何か区切りのようなものがあった気がするのだが。


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 でもまあ、そんなもんかな。過ぎ去ってしまったものは、過ぎ去ってしまったもの。でも香港のことは、じっくり消化してから、書き落とさないといけないと思っている。日本に帰国するとき、そして日本から香港にもどったときに、空港と自宅を結ぶタクシーのなかで感じていたあの不思議な感覚にこそ、何か大事なヒントが眠っているような気がする。