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「スパルタンX」「プロジェクトA」を観て

review

 目下、ジャッキー・ブームの中、代表作を続けて視聴している。時系列でいうと、1983年「プロジェクトA」、1984年「スパルタンX」、1985年「ポリス・ストーリー」を発表しているようだ。でも僕は今回、ちょうどこの逆の順番で観たことになる。まあ、今となっては31年前も32年前も誤差みたいなもんだから、どうでもいんだけどね。


 とりあえずスパルタンXについて。このタイトルは、映画というより、ファミコンのソフトとしての方が有名かもしれない。僕も厭というほどプレイしたし、どっこいそれでも厭にはならなかったくらいだ。だけど、改めて映画を観てみるのだが、ファミコンのゲーム・ストーリーとはまったくをもってして驚くくらい関係がない。売名行為で訴えることができるんじゃないかとも思うのだが、まあこれはこれで大人の事情があったのだろう。そもそも映画内で「スパルタンX」というのは、主人公のにつけられた名前に過ぎない。ところで、この作品の舞台はスペインで、スペイン人に紛れなら、ジャッキー達は自分達のことを、しきりに「中国人」と主張していることに強い違和感を感じた(最初吹き替えで観たので、今流行の翻訳上の調整かと思ったが、のちほど広東語でも聞いてみるも、確かに「中国人」と言ってた)。今でこそ、香港は中国の一部だが、当時はイギリスの一部である。もしかすると、このイギリスの統治下にあることに対する嫌味として「俺達は中国人だ」というセリフを用意したのかもしれないが、中国に返還された今、多くの香港人は中国を毛嫌いしているわけだから、なんだか皮肉なもんだなと思う。(そしてジャッキーが中国寄りの発言を繰り返すことで、香港人に嫌われていることも)


 次、プロジェクトAで感じた違和感は、登場人物が英語がわからないという設定になっていること。同じことを言うが、イギリスの統治下なのに当時の香港人は英語がわからない人が多かったのだろうか。そしてまた同じことなのだが、中国に返還された今では、多くの香港人が英語くらい喋ることができる。どうも天邪鬼である。ストーリーはある程度覚えているので、なおのことかもしれないが、文化や歴史、政治的背景が非常に気になってしまう。


 まあともかく、これらの三作品を観返して、10歳くらいのとき、土曜洋画劇場なんかでジャッキーの映画を観て、「プロジェクトA」に強い影響を受けていたことを思い出した。「イエッサー」という返事は、ほぼ全員が真似をしていたし、ヘッドスライディングをするように階段の手すりを頭から滑りおりるのもみんな我先にとやっていた。ジャッキーはとにかく逃げるシーンが多いので、僕も遊んでいるときは、逃げることが大好きだった。


 あと、ジャッキーという絶対的なスターと、クールなユン・ピョウ、コミカルなサモ・ハン・キンポーという3人は、今観ても非常に絵になるし、アクションの絡みも文句のつけようのないくらい秀逸である。しかしながら、「プロジェクトA2」には、ユン・ピョウもサモ・ハン・キンポーも登場しない。スケジュールが合わなかったという理由らしいのだが、だったらスケジュール調整してから映画撮れよと思うのだが、そうしないところに香港らしさを感じる。撮りたくなったから撮ったのだろう。あと、その後「ポリス・ストーリー3」も観たのだが、シリーズの1、2で同僚刑事だったマースという俳優が、3になって違う人物として悪役で登場しているあたりに、単純にパニックになってしまう。しかも5分くらいで簡単に殺されてしまうような役回りなので、別に誰でも良かったと思うのだが、どうしてマースを違うキャラとして使ってまで、同じシリーズでナンバリングしたのか疑問で仕方ない。


 とにかく、アクション・シーンにまったくの色褪せがないと思って観ていたが、その理由は、今では映画にCGが当たり前で、どんなにCGの制度が上がっても、リアリティさが欠けているからなのだろう。「おお、CGとは思えない!」と思った時点で、自分が客観的になってしまってるわけだし。こんな昔の映画だけど、手汗が止まらないというのがジャッキーの魅力だと思う。