着替える、穴、歩く

 香港に来て、生活の中で変わったことは数あれど、最近地味に気になることがある。と、その前に「香港の生活」で思い出したのだが、冬に出張で来ていた頃に書いたエントリーで訂正しておかねばないことがあった。香港の人間は、みんな私服で出勤時し、会社でスーツや制服や着替えるのがスタンダードだということ。で、その理由を、退社後の自分の時間を大切にしているからだろうと予想したことだ。


◆香港にやってきた@香港アラカルトその1


 しかし、この予想が間違っていないにせよ、順番としては2番目か3番目以降になるだろう。出社後に会社で着替えるというめんどくさい行為に関して、もっとはっきりした、どうしようもない理由があることに気づいた。それは3月になり、少し暖かくなった頃には、もうはっきりわかったのだ。香港は日本では想像できないくらい湿度が高く、蒸し暑い。つまり出勤退勤時に少なからず汗をかくわけで、外を歩いているときにスーツや制服が汗で汚れないように、出社してから着替えるようにしているわけだ。これは香港で生活してみれば、誰でもわかる。僕も、朝家を出た2分後には、天候に関わらず薄っすら汗を感じ、5分ほど歩いてバス停着く頃には完全に汗を自覚し、もうこの時点で着替えたいと思ってしまうほである。ので、退社後に広東語のレッスンを受ける予定のある日は、必ずジーンズをカバンに入れて出社し、移動前に着替えて、教室に向かう。そうしないと、ズボンを毎日クリーニングしなければいけないくらい、汗だくになってしまうのだ。


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 で、もうひとつ、最近感じることがある。靴下によく穴があくのだ。もちろん、これまでも靴下に穴をあけたことなど数知れずある。しかし、これまでの実績としては、「ああ、もうそろそろ限界かな。でももう1~2回くらい履けるかな」といって捨てるのを見送り、そして破れかけていることをも忘れたりもしながら、最初の予兆から数回粘った後に、ぽっかり穴があき、やむなくゴミ箱に押しこむといったステップを踏むことが多かった。しかし、最近では、もういきなり満塁ホームランみたいに、最初の一手からもう手遅れ状態くらいの豪快な穴があいていることばかりだ。いつの間にこうなった、みたいな。


 理由としては、歩く距離が増えたからだろう。金沢にいた頃は、車依存度が高く、家と駐車場の間の距離くらいしか歩かなかった。歩いて2分の距離のコンビニにも車で行くような生活だった。しかし、香港に来たからといって、そこまでたいそうな距離を歩いているわけではない。東京にいた頃とさして変わらない程度だし、金沢にいた頃は歩いてはいないが、走ってはいた。それでここまで靴下が破れる頻度や性質に差が出るとは思えない。


 ということで、これといったオチはないのだが、事実として、香港では靴下がよく破れる、しかも唐突に、という現象に見舞われている次第であります。