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衣食住に必要なもの

 また香港に来た。今回は通常出張なのだが、会社としても、いい加減ホテル宿泊も金がかかってしゃーないということで、ちょうど数日前に日本に帰国したスタッフが住んでいたマンションで寝泊りすることになった。


 場所は、香港島銅鑼湾(コーズウェイベイ)。これまで居た九龍地区や尖沙咀地区とは海を挟んだ向こう側になり、また違った雰囲気とのこと。日本で言えば、銀座と新宿みたいなものだろうか。


 マンションのすぐそばにはヴィクトリア・パークという大きな公園があって、テニスコート、バスケットコート(香港での人気スポーツはバスケらしい)が多面設置されており、どのコートでも汗を流す人であふれている。なかなか活気のある公園だ。屋外でバスケをしている絵を見ると、海外に居ることを強く実感する。


 しかしまあ、この公園とは別に自分が生活するマンションの部屋が非常にシンプルだった。間取りとしては2DKだろうか。香港のマンションには玄関という概念がないので、ドアを開けるとすぐメインの部屋があり、その奥に寝室ともう1部屋がある。そして、家具としては、テーブル、テレビ、ベッド、タンス、冷蔵庫、電子レンジくらい。あとは狭いユニットバスがあり、洗濯機は常設のもので、エアコンは各部屋にある。備品としては申し訳程度のトイレット・ペーパーが残っていたくらい。ここで約10日間暮らすことになる。コップや皿といった食器もなければ、鍋はもちろんポットもない。そして、これでは人間が生活するにあたって、必要最低限にすら達していないことに気づく。



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 実は、このマンションに入る前、通常のホテルに一泊だけしたのだが、そのときに歯ブラシやティーバッグを持ち帰っており、これら備品に若干助けられている部分もあるのだが、それでも「あれ? ない……」と、躓くことが多々ある。衣食住なんて大雑把にまとめてしまっているが、いかに僕らは生活するにあたって、多くのアイテムに頼っているかがわかった。まず何が不便かというと、お湯が沸かせないということが一番痛い。ホテルからもらったティーバッグがあるが、ポットもなければ鍋もないからお茶も淹れられない。思い立ったときに飲み物が用意できないというのが一番都合が悪い。またカップ麺の類もNGなので、安上がりな飯で済ますこともできない。幸いシャワーは使えるのだが、「お湯」って僕らの生活の中で結構なウエイトを占めていることに気づかされる。次に、タオル。現状あるのは、バスタオルとハンドタオルの大と小。ただしハンドタオル大は、バスルームの前の足拭きに使わざるを得ないので、実質バスタオルとハンドタオル小しかない。これがまた思いのほか不便だ。タオルなんて買えばいいのだが、金沢の家にはタオルなんて余るほどあるわけなので、買うとなると負けたような気にもなる。ともかく、パソコンやiPhoneなんかなくたってどうとでもなるが、居間や台所や洗面所に、当たり前のように置いてあるものがどれだけ生活に重要なものか、否、重要なものこそ居間や台所や洗面所に置いてあるんだなということに気づいた。


 とまあ、そんなわけで、二十歳くらいのときに実践してたケチな生活を再体験しなければいけないようだ。とりあえず、スターバックスでもらったトールのコップをつぶさないように持ち帰って、家で洗って(あ、洗剤がないぞ)、重宝しなければいけない。