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君はマツイの敬遠を観たか?

note

 つい先日、めずらしく居酒屋さんに行き、野球トークに花を咲かせていると、スタッフの兄ちゃんが「野球の話で盛り上がってる中スイマセン。ご注文の生中お持ちしました!」などと絡んできた。そして「巨人ダメでしたねぇ!」とか言うので、「いやいや僕ら巨人ファンじゃないんで、それは結構なことです」と、酒も入っているので、何を振られてもそれなりに返せるしテンションも上がる(さぐりとして巨人の話から入るのが彼のマニュアルなんだろう)。まあともかく、注文の合間に一言二言、話をする程度なんだが、彼は元高校球児で、大学を出たか出ないかくらいの年齢のようなことがわかってきた。で、高校野球やっていたということで、甲子園での星稜松井の敬遠のことを訊いてみると「ああ、ジブンその頃生まれてないっス」と。


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 小さい頃、甲子園に星稜高校が出ていると、大人たちは必ずと言っていいほど「箕島との延長18回」の話をしていた。なんなら金沢高校の試合を観ながら、星稜箕島の話で盛り上がっている夏もあった。特に親戚の家に居るときの「箕島率」は高い。もちろん僕は「箕島なんて知らねーし」と、毎年毎年同じ話になることに嫌気すらさしていたくらいだ。これと同じようなことが、彼にもあるんだろう。「高校野球やってたって言ったら、今日も松井の話ふられたよ」と。


 今も昔もこれからもだろうが、石川で野球をやっていく小中高校生は、厭というほど「松井の敬遠」の話を聞かされるんだろうな。しかし松井秀喜が引退した今、松井が野球しているところを生で観たことないのに、敬遠の逸話は強く強く語られる子供が増えていくわけだ。「誰だよ、マツイって」と思いながら野球をすることになるんだろう。


 まあともかく僕が気づいたことは、「野球」というものは、野球が好きなすべての人にとっての共通言語だと思っていたけど、僕らが観てきて語れる「野球」が通じにくい世代が出てきているということ。まあいつまでもいつまでも昔話ばっかりするなということだろうか。うん、自分達の昔話を他人と共有しようとすることには充分注意したほうがいいってことかな。