遺書を書く。

 なんとなく去年思いついたことのひとつに、「遺書を書く」ということがあります。人生の折り返し点の35歳から、5年毎、つまり35歳、40歳、45歳、50歳……と、もう明日死ぬという前提で遺書を書き残してみるという試み。遺書というか遺言状といってもいいかもしれません。よく「未来の自分宛の手紙」みたいなものがありますが、そういう切り口ではなく、もう明日がないという「死」を前提に、やり残したことや、感謝なんかを書いてみようと思ったわけです。とはいえ、別に書いたところでどこかにリリースするわけでもなく、ただ自分のパソコンの中に眠らせておくだけのつもりでした。


 で、35歳の誕生日あたりに、「ではさっそく」と書いてみようとしたのですが、自分の「死」というものが、まったく想像できず、書き遺しておくことなどまったく思い浮かびませんでした。で、35歳のうちに書き上げればいいやと思いつつ、冬春夏と過ごすも何も書けず、いや、35歳最後の日に書けばいいやと思いながら結局特別書きたいことなど何もないまま今日に至ります。つまり、何も書けなかったということです。


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 しかし、ここ数年、自分のまわりでもよく聞くような厄介な病気などにかかる友人知人が増えています。本当に「死」というものが僕にとって非現実的なものであると考えるのは、いささか傲慢なこととも言える気がします。まあ近いうちには、じっと自分を見つめなおして、書き遺すものを絞り出してみたいと思っています。近いうちには……。