オールスターとは言うけれど

 プロ野球の「オールスター」がつまらない、なんて話をよく聞きます、僕だけかもしれませんが。まあ確かに言葉負けしているような気もします。表題ほどの華やかさはないんじゃないかって。


 もう聞き飽きたかもしれませんが、かつてはテレビじゃめったに見ることができなかったパ・リーグの選手が見られることにオールスターの価値があったような気もしてます。僕の思い出では、やっぱり西武の清原がテレビで見られるというのは、オールスターの醍醐味のひとつでした。あと、阪急の山田久志の投球フォームを見たときも得も言われぬ神秘さを感じたりしました。次の日、クラス中の男子があの流れるような投球フォームの真似をしていたことを思い出します。出るかどうかわからない日本シリーズを別にすれば、オールスターくらいでしか、これらのスター選手を見ることができないわけですから。


 そう考えると、もう交流戦どころか、BSでの試合放送だのスカパーCSでの全試合放送だのYouTubeだので、名の上がる選手のプレーなど、好きなときに好きなだけ見ることができます。わざわざオールスター戦でどうこうという気にはならないです。また、全選手が判で押したように「全力投球」「フルスイング」を掲げており、確かに力勝負の聞こえはいいけれど、見ている方は大味すぎてたいしておもしろくなかったりします。ただ淡々と試合が進んでいくだけで、まだ高校野球の地方予選の方が真剣さが伝わってきて、おもしろかったりします。すべてのスポーツは、正々堂々たる真っ向勝負と、敵を欺く駆け引きによって完成させられるわけですから、どっちかに偏っていたらたんぱくになってしまいます。解説陣も、去年もおととしも聞いたような使いまわしのコメントしかしていないし、「いや、オレらもホントは今更オールスターとか見どころないなって思ってるんですよ」って感じな、やっつけ仕事として解説してるようにすら思えてきます。


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 で、一方の交流戦では往年の名選手による始球式なるものが定期的に開催しているようで、阪神の掛布だとか西武の東尾、中日郭源治、横浜駒田といった選手が登場しているわけです。こういうのこそオールスターでやれよと思ってしまいます。あげく交流戦だと1日各球場で全6試合もあるわけなので、スポーツ・ニュースのなかでも名選手登場のニュースは埋もれてしまってます。その点、1日1試合しかないオールスターで、桑田清原の始球式とか、なんなら試合中のグラウンド整備の合間に新庄が阪神と日ハムのユニフォームが合わさったようなコスチュームで出てきて、自分の投げた球を自分で打つくらいのパフォーマンスをやらせてもいいんじゃないかと思ってしまいます。現状現役のセ・リーグ、パ・リーグに縛ってても、もう「夢の球宴」にはならないでしょう。古今東西、総戦力の演出をしないと、ただ慣例に従ってやってるだけになってしまいそうですけどね。


 まあ、そう思うのも中年のファンだけであって、子供にしてみれば、今をときめく選手同士で試合をした方が「夢の球宴」なのかもしれないですけどね。今日は神宮で、セ・リーグは新人選手による投手リレーらしいです。解説の方々は、視聴者の興味を引くオールスターならではの裏話をたくさんしてほしいものです。