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韓国人の言う「トイレに行っています」

 韓国に電話をして、話したい相手が不在のとき、よくよく「○○さんはトイレに行っています」と返答されます。まあ、日本的なビジネス・マナーでいえば、不在のときは相手がどこに行っていようと「席を外しております」と返事するわけなので、非常に違和感を感じています。トイレとか、ホントのこと言うなよ、と。もしかしたら韓国では不在のときは一律「トイレに行っています」と答えるのがコリアン文化なのかもしれませんが、もちろん「打ち合わせ中です」「あれ、いないですね……」などと言われることもあるので、トイレと言うからにはトイレに行っているのでしょう。


 まあ、日本人は相手を気遣う表現をするとか奥ゆかしいなどとは誰にでも言える思います。しかし一方で、なんでもかんでも「席を外しております」で対応できるということは、別に細かな目的や原因を知らなくてもやり過ごせるということであり、つまりまわりの人間のことを気にしていなくても別段問題ないということでもあったりします。事なかれ的な。なんかわかんないけど「席を外しておりま~す」と言っておけば、みんな納得してくれるわけですから。


 つまり「トイレに行っています」と答えるということは、少なくともその人が「トイレに行っている」ことを知っているからそう言えるわけです。それだけ相手のことを見ている、相手の行動を把握している、共有されているとも考えられます。どうして電話に出られないのか、はっきり伝えているわけです。


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 まあ「トイレ」くらいは、オブラートに包めよと思うのですが、この日本独特の「察してください」の表現というのが、実は日本人の大きな欠点であるようにも思えてきます。というのも、特に仕事上の関わりのある人というのは年齢や経歴など、これまでの自分との接点が少ない人間が多く、これらの会話では、相手が日本人であっても察してくれないケースが非常に多いわけなのです。つまり、僕らは自分との共通項の少ない人間への説明が非常に下手なんですよね。「これだけ説明したんだし(もしくは、説明なんてしなくったって)、わかってくれよ。もうわかっただろ」みたいな気持ちを、日本人は誰しも持っています。また、相手に伝えるための説明ではなく、「うまいこと言う」ための説明になってしまっていることもよくあります。いかに察せさせるかみたいな。シンプルな説明だと伝わったか不安になり、「例えば……」を口にしてしまわずにはおれず、結果みんなが混乱するだけとか。


 相手のことを思いやる前に、伝えること、行動させることの方が実は重要なケースが多いのです、生きていると。韓国人の妙な電話対応から、そんなことを思いました。