あと90日、来年の手帳、今

 さっきラジオで聞いた情報なのだが、今日10月3日を含め、2012年はあと90日なのだとか。もちろん「まだ90日ある」という考え方と「もう90日しかない」という捉え方があるが、たいていは「もう90日しかない」だと思う。90日。


 それに続けて、ラジオが言うには、「あと90日」となり、書店や文房具店には、2013年の手帳が並ぶようになったと。そして、もうこの時期から来年の手帳を買うような人というのは、どんな人かというのを調べてみると、来年に結婚の予定があるとか、家を建てる予定があるなど、明るいビッグ・イベントがある人が多いらしい。まあ、当然と言えば当然だろうか。早く、その予定を手帳に書き込み、当日や前後の曜日を調べ、認識し、噛み締め、味わいたいのだろう。待つうちが何とかとか言うやつだ。僕はこういったスケジュール帳は持たないようになったが、この気持は充分過ぎるほどよくわかる。手帳なんて、できることなら楽しいことだけ書き込みたい、自分がイメージする最良のことだけ記しておきたいものなのだ。歯医者の時間とか、そんなものは別に書かなくていいなら書かないに越したことはない。


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 という話を聞いて、先日デパートに行ったときのことを思い出した。たしかに手帳コーナーが設けられていたのだ。しかし、僕は書店の手帳コーナーのことなど、まったく気がつかなかった。もちろん、もう手帳は使ってないという理由もあるだろうが、それでも手帳コーナーというのは、どこも大々的にディスプレイするものだから、気がつかないというのは、あまりにも不注意過ぎる。そう思っていたら、ラジオはさらに続けてこう喋っていた。「――いずれにせよ、この時期に来年の手帳を買ったり、気にする人というのは、“今”心に余裕があって、充実した毎日を過ごしているんでしょうね。そうでなければ、来年のことなど気に留めたりするはずがありません」。


 なるほど。


 先のことを考えられる、考えたくてしょうがない人ってのは、今がどんなに忙しく、慌ただしかろうと、心には余裕がある。これって、たしかな真理の一つだなと。僕はたしかに来年に別段どうこうという予定はないのだけど、それは予定がないということよりも、今に余裕がないという方が現状を的確に言い表しているのだと思う。今に余裕があれば、来年のことを気にすることくらいできるということだ。だって、来年だろうが再来年だろうが、明日のことだろうが、考える時間ってのは今なんだから。


 逆の考え方をするなら、今を充実させたいなら、先々のことを思い浮かべ、スケジュール帳にメモする時間を、無理矢理にでも設けてみるのも悪くないのかもしれない。こうやって、1人でにやけてしまうような無駄な時間ってのが、案外重要だったりするのだから。


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