僕が食べたうまいもん

 東京にいる間、たくさんの外食をしたが、「これぞ!」とか「さすが!」と思えた料理にはそんなに出逢わなかった。「美味い!」と思っても値段がべらぼうに高い、上品で良いムードだけどメシは普通でやっぱり値段は高かい、みたいな店ばっかだった。雑誌やネットで人気だという店もたいていそんな感じだった。そのシチュエーションは一級品だったが、美味いもの食ったという印象はないというまとめ方になるだろう。これは金沢に帰ってきて気づいたことだ。金沢、飯美味いな、東京って何だったんだろうと。


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 まあともかく、こうやってまとめてみると東京の食に関して2つの事柄が色濃く浮かび上がる。まず1つは、僕はとにかく量が多いお店を好きこのんでいたんだなということ。単純に若かったのだろう。とにかく安く、たくさん食いたかったのだ。今では、これらのお店が身近にあってもそこまで通い詰めないと思う。金沢でも金石餃子などが、宝来に似ている迫力を感じたが、まだ2回くらいしか行っていない。


 もう1つは、紹介したお店以外でも、気に入ったお店がけっこうな割合で閉店してること。僕はこれまで、訪れた飲食店はtabelogにまとめているのだが、今、ふとレビューを振り返ってみると、驚くらい「閉店」のアイコンが見受けられるのだ。「ああ、やっぱりな」というような適当なお店ばかりではなく、仕事の合間などにわざわざ立ち寄ったお気に入りのお店、また、打ち上げや忘年会などの宴会で楽しい思い出があったり、自分が探して予約を入れた店など、ことごとく店を閉じている。もちろんポジティブな理由での閉店だって有りうるのだろうが、少し暗い気持ちになってしまう。知らない間に、変わっちゃってるんだなと。


 ただ最後に、食事というのは、美味しいとかマズイとかよりも、誰と、どういうメンツと、どんなときに食べたのか、が重要な気もしてきた。そういった切り口でまとめたら、もっと違ったトーンの文章が描けたかもしれないな、もっと違った店を紹介できたなとも気づいた。今さらだけど。


◆じ#13のレストランガイド