僕のスポーツの楽しみ方@EURO2012を終えて

 僕が海外のサッカーの代表戦を観ていると、どうしても考えてしまうことがあります。というより、サッカーに限ったことではなく、スポーツの大きな国際大会を観ていて、「ソレ、どこにある国だよ?」というマニアックな国、また聞いたことはあるがホントはよく知らない国について深く考えはじめると、脳内のアドレナリン発生率が高まります。


 今回のEURO2012は、スペインの連覇やイタリアの躍進、ロナウドの活躍やルーニーの出場停止などなど、戦前戦後の見所は様々でしたが、僕は2つの開催国に俄然興味を惹かれました。ポーランドウクライナです。ポーランドとウクライナについて、自分はどれだけの知識を持ち合わせているだろうか。ヨーロッパのどこに位置し、どのような文化を持ち、どれだけの富を抱え、どのような歴史を背負っているのか。少なくとも僕は、これらの国に対して、ナチスがポーランドに侵略したことで第二次世界大戦が勃発したという、あまり喜ばしくない歴史的事実しか思い浮かびませんでした。ウクライナという国に関しては、何ひとつの情報も知りません。強いて言えば、ウクライナと南米のウルグアイは響きが似てるなという、どうでもいいことくらいです。


ポーランド


 ポーランドの国土は日本の約4/5で、北海道と本州ほど。人口は約3,820万人で日本の1/3以下、その約97%がポーラン人。公用語はポーランド語。首都はワルシャワ


 西にはドイツ、東には旧ソ連(正確にはベラルーシウクライナを挟んではいますが)に挟まれた、まさに近代においては、踏みにじられ領土争いに巻き込まれるために存在しているような場所にある国です。もうこれだけで不幸な歴史を背負っていそうな雰囲気満載です。事実、18世紀には3度にわたり国土が隣国に分割され、ついには消滅。その後、第一次世界大戦後の1918年に独立するも、ドイツの侵略を受け第二次世界大戦が勃発し、あげくドイツとソ連に国土を分割されるという歴史を背負っています。その後、ソ連の元で社会主義体制をとるも、1989年に民主化を果たして共和国となり、今に至ります。こんな歴史を乗り越えてきたからこそ、ポーランド人の愛国心と反骨心は強く、家族を何もよりも大切にし、教育にも熱心で高い文化レベルを誇ります。日本が見習いた国家モデルのような気もします。EU(欧州連合)には2004年に加盟。


 主な著名人としては、地動説を唱えた天文学者のコペルニクス(1473年 - 1543年)、放射能という用語の発案者であり女性初のノーベル賞受賞者キューリー夫人(1867 - 1934年)、ピアノの詩人と呼ばれた音楽家のショパン(1810年 - 1849年)、第264代前ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世(1920年 - 2005年)、「灰とダイヤモンド(1958年)」で有名な映画監督アンジェイ・ワイダ(1926年3月6日 - )など。僕が勝手にイメージする「東欧」らしい、貧しくとも強い信念と貪欲な研究心に満ちた人が多いような気がします。


ウクライナ


 ウクライナの国土は日本の約1.6倍。人口は4,587万人で日本の約1/3、しかしウクライナ人、ロシア人、ベラルーシ人などの様々な民族で成り立っています。公用語はウクライナ語ですが、ロシア語も使われます。首都はキエフ


 北東にロシア、南は黒海に面しており、黒海に突き出ているクリミア半島ウクライナにあります。しかし正直僕は「ウクライナ」などという国が存在するという事実は、ごくごくごく最近サッカーの試合で知ったくらいです。歴史の時間でもウクライナという用語を見たり聞いたりした記憶はさっぱりありません。というのも、長くロシア帝国の支配下にあり、ソ連の構成国のひとつとして存在していたようです。1991年のソ連崩壊に伴い独立。ので、20年ほど前に誕生した国と考えても良いような気がします。とはいえロシアとの関係が強いため、今のところEUには加盟していません。


 土壌が肥沃なため穀物を中心とした農業が盛んで、澄んだ青い空と豊かで美しい自然に恵まれています。それを象徴するかのように、ヒマワリの花を国のシンボルとしており、明るく健康的な国風がうかがえます。国旗のスカイブルーとイエローも、青空とヒマワリをイメージしているのかもしれません。


 日本人としてウクライナに親近感を感じるトピックスとしては、昭和の大横綱、大鵬の父親がウクライナ人ということでしょうか。そうです「巨人、大鵬、卵焼き」のあの大鵬です。そしてもうひとつ。当時はソ連で起こった大事故として扱われましたが、かの有名なチェルノブイリは今のウクライナの北部、ベラルーシとの国境近くにあります。ちなみにウクライナでは、現在も原子力発電は稼働しています。少し話が逸れますが、僕は基本的に原発は反対です。だから原発の再稼働のニュースは眉をひそめて見ていますし、何より各地の電力会社の横柄な態度は気に入りません。ですが、それ以上に産業や経済活動を止めたり停滞させてはいけないし、原発を凍結することで失業者が増えることもそれはそれで大きな問題な気がします。チェルノブイリの事故は、僕の勝手なイメージでソ連の山奥の熊も猿もいないような辺境で起こったものだと思っていましたが、首都キエフから約130キロの位置だそうです(福島原発と東京は約200キロ)。1986年の事故からの25年以上の時間はウクライナにどのような影響を与え、何を奪い、何を残したのかまでは調べていませんが、少なくとも僕がイメージしていた最悪のシナリオには至っていない気がします。別にウクライナが正解とは思っていないのですが、少なくともウクライナという国が(多分)普通に存続しており、今でも豊かな農産物を育てながら原発と共存しているわけだから、日本だったら、より安全に原発の有効活用できないわけがない気もします。頑なに原発を推し進めたり、それに対しデモも敢行するばかりではなく、もっと前向きな方向性を考えられないのかなと思ってしまいました。まあ、今知っただけの浅い知識での見解ですけどね。


 主な著名人は、先の、大相撲力士大鵬(1940年 - )、棒高跳びブブカ(1963年 - )サッカーのシェフチェンコ(1976年 - )など、まだ健在のアスリートが多い。また、ポーランドもそうですが美女が多いということでも有名。もっとも有名なエピソードとしてはビートルズの名曲「Back in the USSR」で「ウクライナ娘にはほんとにしびれるよ」とウクライナの美女を称えるフレーズが登場するほどです。そしてユリア・ティモシェンコ首相は美貌ぶりはいまさら語る必要もないでしょう。「ウクライナ」という国名で画像検索すると、ティモシェンコ首相の画像しか出てこないほどです。


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 当たり前のことですが、世界には僕の知らないたくさんの国があるのです。僕がサッカーが好きになり観るようになったのは、試合をきっかけに見聞きした国の文化や歴史を調べていくことのおもしろさも理由にあります。1998年に日本を打ち負かせたクロアチア、そして旧ユーゴスラビア諸国の歴史を紐解いたときは、こんな不幸な出来事があったのかと大きな衝撃を受けました。2002年のときも韓国そして同胞である北朝鮮について調べてみると、同じような悲しさを感じました。その度に日本はつくづく平和で豊かで幸せな国であることが再認識できます。今回のEURO2012、残念ながら予選リーグで姿を消してしまいましたが、ポーランドとウクライナについて、幾分の知識が増え、多分の興味関心を持てたことが僕にとっての大きな収穫だった気がします。


◆ポーランドの基礎知識
◆外務省: ポーランド共和国
◆ポーランド - Wikipedia


◆ウクライナの文化を知ろう
◆ウクライナ - Google 画像検索
◆外務省: ウクライナ
◆ウクライナ - Wikipedia


◆UEFA EURO 2012TM サッカー欧州選手権|WOWOWオンライン