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僕が働いた場所

note tokyo

 金沢に帰って来るとき、さすがに地元とはいえ離れている場所での職探しを東京ではできないということでエージェントを立てた。転職先を僕に代わって探し、給料の交渉なども行なってくれる人たちでる。2008年春、秋に勃発するリーマン・ショック直前だったため、まだ売り手市場で求職者は無償でエージェントに依頼ができたわけだ。2つの事務所にお願いをしたのだが、履歴書と職務経歴書を渡すと、どちらのエージェントからも、まず「なかなかユニークな経歴をお持ちですね」と苦笑いとともに言われた。僕はへへへとか適当に返事していたが、まあ率直に言い換えれば「お前、トウキョウでいつまでもふらふらと何やってたんだよ」ってことだろう。「ユニーク」とはときに汎用的に便利に使えるワードになる。


 僕にとって、「働く」という位置づけは、アルバイトに毛が生えた程度のものとしか認識してなかった部分がある(今でもそうかもしれないが)。だから、どの職場や、その取引先に行っても、出逢う人すべてに対して、みんなホントに真面目にちゃんとやってるなぁと感心してばかりだった(今でもそうかもしれないが)。僕は、出来るなら今すぐにでも全部ほっぽり出して帰りたくてしょうがないのにと常々考えなら仕事をしていたのである。もし僕が中世のアメリカに生まれていたら、一攫千金を夢見てゴールド・ラッシュで西に向かうでもなく、鉱山の麓でしたたかにジーンズやつるはしを売るわけでもなく、自分の畑で細々とトウモロコシでも栽培しながら、飼ってる牛に返ってくるあてもない話しを永遠としているタイプだろう。


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 しかし多分、人生やり直せたとしても同じようなことをやるだろうなと思っている。適当にフリーターで過ごして、胡散臭く小汚い事務所でじめじめと誰も読まないミニコミをつくり、厭になったら嘘をついて転職を繰り返す。だから、別段これが無駄だったとも、まわり道だったとも思っていないし、自分らしい経歴だなとも思っている。


 とはいえ、あと20年以上もなんらかの仕事をせねばならない。めんどくさいなぁと思えてしょうがない。唯一の救いはそこで知り合えた、才能があり、ウマが合う仲間がいたということくらいだろうか。そしてそれらの会社を退職した今でも、ネット上のどこかで彼らの活躍や日々の些細な出来事を追うことで、刺激をもらえているということである。この先も仕事上で、そんな出逢いができたらいいのだが。