『若者は、選挙に行かないせいで、四〇〇〇万円も損してる!?』を読んで

 僕が選挙権を得てかれこれ15年経とうとしていますが、これまでに選挙で投票したことは2回くらいしかありません(ちなみに2回とも白紙投票)。というのも、自分で「政治のことはわからない」と自覚しており、わからないから票を投じたくないという、妙なこだわりのようなものを持っていたからです。加えて、選挙に行こう選挙に行こうと煽らることで、絶対に行かないという気持ちのほうが高まってきたという理由もあります。


 ところが、前回の2011年の統一地方選挙のとき、水道橋博士のTweetを見かけて、はじめて選挙行かなきゃいけない意味がわかったような気がしました。

◆@s_hakaseTwitter


選挙20時まで。俺の一票じゃ世の中変わらないよ→結果。投票行動の分析→文句は言っても若い奴は選挙に行かない→結局若い奴には配慮しない政策へ→選挙に行くだけ(投票率上がるだけ)でも世の中変わってくるんだよ。


 とはいえ、このときも選挙には行かなかったんですけどね。


 そして『若者は、選挙に行かないせいで~』の中でも、上記のつぶやきのように投票しない世代が損をすることについて現実的、合理的に、きれい事抜きで説明してくれています。非常にためになりました。


 一般の有権者が「政治リテラシー」が低いのは当たり前であり、低いことを前提に政治と付き合っていかなければいけない、というか、低いことを利用され政治が動いているということでしょうか。どんな物事でもそうだと思いますが、仕組みを把握していない人間から、仕組みを理解している人間に富は搾取されるのだなと改めて知った気がします。僕のような、斜に構えることで選挙に行ってない20代、30代の人にはぜひ読んでもらい一冊です。


【内容情報】(「BOOK」データベースより)
この本一冊あれば、日本の「政治の仕組み」を語ることができます。政治がカバーしなければならない分野は膨大なのですが、ここに書かれた「仕組み」を知っていれば、政治がどのように動いているのか、何が変化を妨げ、何が変化を促進するか、がわかるはずです。そのなかで、自分たちにできることが何なのか、ということも。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 若者は政治によって損をしている!?/第2章 主役は、「有権者」のはずだけど…/第3章 実は「国会議員」の力は弱い!?/第4章 「特別利益団体」を知らずして政治は見えない/第5章 「官僚組織」の「官僚組織」による「官僚組織」のための政治?/第6章 政治を変えるのは、あなた!

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
森川友義(モリカワトモノリ)
早稲田大学国際教養学部教授。政治学博士(Ph.D.)。1955年群馬県生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒、ボストン大学政治学部修士号、オレゴン大学政治学部博士号取得。国連開発計画(UNDP)、国際農業開発基金(IFAD)等の国連専門機関に勤務。アイダホ州ルイス・クラーク大学助教授、オレゴン大学客員准教授を経て、現職。2001年から2005年東京医科歯科大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)