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『100円のコーラを1000円で売る方法』を読んで

会社で配布され、読了。 茶番のようなキャラ設定に、かなり抵抗があったが、書かれている内容はどれも納得のいくものばかり。「安さ」が絶対的に「善」ではないことがわかりやすく説明されているし、価格面以外でも勉強になった部分は多い。 僕も、商品の値…

9月の読書メーター

2012年9月の読書メーター読んだ本の数:1冊読んだページ数:448ページナイス数:14ナイスドラゴンクエスト25thアニバーサリー 冒険の歴史書 (SE-MOOK)の感想古いシリーズほどしっかり記憶されてるな。最近のもおもしろかったけど、あまりストーリーや町の…

『ドラゴンクエスト25thアニバーサリー 冒険の歴史書』を読んで

またドラクエの話。 もとより今月読んだ本はこれ1冊になりそうです。これだけ本を読まなかった1ヶ月というのは、2009年の8月以来(読書メーター参照)。で、2009年の8月は何をしていたかというと、間違いなく前月の7月にリリースされたドラゴンクエスト9をプ…

映画「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」を観て

ドラマ時分はたいした興味も無かったこのシリーズですが、どういうきっかけだったか映画版を観て、続編も追いかけるようになりました。といっても映画は全部で4作しかないんですけどね。 で、ファイナルと題した今作も、期待通りの作品でした。「これくらい…

北原みのり著『毒婦。』を読んで

木嶋佳苗死刑囚に関する裁判の傍聴記録です。 木嶋佳苗って誰だよと思った人は、デブでブスな女が、結婚詐欺的な手口で男を騙して大金を奪い、練炭自殺に見せかけて殺してしまった事件と言えば思い出すでしょう。「なぜよりによってこの女に……」という部分で…

三浦しをん著『風が強く吹いている』を読んで

今年2012年、『舟を編む』で本屋大賞を受賞された、三浦しをんさんの箱根駅伝を題材にした青春小説。様々な比喩や哲学に用いらる「走る」という、出尽くしているだろうというような題材ですが、とても読み応えのあるストーリーで感情移入して読み進めること…

8月の読書メーター

8月の読書メーター読んだ本の数:3冊読んだページ数:962ページナイス数:27ナイス毒婦。 木嶋佳苗100日裁判傍聴記所々入る著者のツッコミがメリハリとなりとても読みやすい。ただ、被告の人物像は結局何も見えてこない。また、読了してから久しぶりに被告の…

森繁和著『参謀』を読んで

ご存知、中日ドラゴンズ前ヘッド・コーチの森繁和氏の著書。これまで、組織のリーダーやボス、または完全な裏方さんの著作はいくつか読んだが、ナンバー2というポジションからの作品というのは意外と新鮮かと思った。こういう切り口の本はもっとあって良いの…

三木谷浩史著『たかが英語!』を読んで

金沢に帰ってきて、年に2回ほど、つまりは、これまでに4年で8回ほど「いや、もう本気で英語やろう。TOEIC受けよう」と決意するも、見事にそれと同じ回数だけ放置してきている。 英会話ポッドキャストをダウンロードしてiPhoneでひたすら聞いたりとか、TEDを…

『甲子園刻まれた伝説』を読んで

負けて、甲子園に出られずに終わっても、その後の人生で幸せになっている人がいくらでもいるし、逆に、勝って、甲子園で優勝しても、不幸に見える人がたくさんいる。(中略)だからこそ、野球という人生の教材の使い方を、いつも思い悩みながら考えている。 …

7月の読書メーター

7月の読書メーター読んだ本の数:8冊読んだページ数:1975ページナイス数:23ナイスたかが英語!自分の会社も「英語化」してほしい。英語が必要なことは重々承知だが、逃げ出せない強制力がないと、やり切る根性が自分にはない……。読了日:07月31日 著者:三…

横山秀夫著『クライマーズ・ハイ』を読んで

2~3年くらい前に買った本で、ずっと本棚で眠らせていました。なんとなく読む気にならなかったのです。またどうせ読むなら、夏のこれくらいの時期に読みたいと思っていたので、気分と時期がなかなか合致しなかったという理由もあります。しかし、いざ読みは…

古賀茂明著『官僚の責任』を読んで

まず僕は「官僚」という職業がどういうもので、何をしているのかあまりピンときませんでした。よく聞くワードではあるけど、政治家とはどう違うのだろうかと。で、ざっくり調べてみると、日々ニュースでお目にかかる政治家先生というのは国を繁栄させるため…

鴻上尚史著『あなたの思いを伝える表現力のレッスン』を読んで2

表現で感情が動く 「どうして私たちはテレビや映画、小説、演劇、マンガの物語を求めるのだろう?」という疑問を持ったことはありませんか? いろんな理由があるでしょうか、ひとつは、「経験したことのない感情を味わえる」ということだと思います。 ものす…

鴻上尚史著『あなたの思いを伝える表現力のレッスン』を読んで

「表現」と「感情」の関係 ここでちょっと、「表現」と「感情」の関係を考えてみます。 (中略) 人は恋をすると、「表現」と「感情」に対して厳しく、敏感になります(この場合の「表現」は「言葉」ということです)。 つまり、「言葉」と「感情」の距離に…

村上春樹著『1Q84』(文庫)を読んで

作家というものは、そのプライベートや興味、関心をあまり表に出し過ぎない方が良いのではないかな、と思いながら読み進めていました。 ――2009年、主だったあらすじも舞台背景も、そのほとんどが包み隠された状態で発表された村上春樹、待望の新作『1Q84』。…

上半期俺的優良書籍BEST5

5位 レイモンド・チャンドラー著『ロング・グッドバイ』 森川友義著『若者は、選挙に行かないせいで、四〇〇〇万円も損してる!?』 チャンドラーの『ロング・グッドバイ』は再読ですが、文章の「書き方」というものを改めて考えさせられました。私見よりも見…

6月の読書メーター

6月の読書メーター読んだ本の数:9冊読んだページ数:2591ページナイス数:26ナイス村上春樹『1Q84』をどう読むかおもしろい視点や新しい発見もあったが、全体的な統一感がなく、読んでいてとても疲れた。読了日:06月30日 著者:あなたの思いを伝える表現力…

『人生で本当に大切なこと 壁にぶつかっている君たちへ』を読んで

世界のホームラン・キング王貞治氏と前サッカー日本代表監督岡田武史氏との対談集。サブタイトルからもなんとなく伝わってくるのだが、中高生の「道徳」の時間(そんな授業が今でもあればの話だが)の題材になりそうな内容だった。 そんななか気になったこと…

5月の読書メーター

5月の読書メーター読んだ本の数:7冊読んだページ数:2082ページナイス数:12ナイス1Q84 BOOK2〈7月‐9月〉前編 (新潮文庫)「核心」(それが何なのかはわからないが)に近づいていく1冊という位置づけだろうか。しかし全体的に言えることだが、示…

『ティファニーで朝食を』を読んで

最初に読んだときに魅力を感じない小説というのは、何度読んでもおもしろく感じないことが多いのです、少なくとも僕にとっては。カフカの『城』のように。味覚や音楽のように年齢をとれば感じ方も変わる、ということはなく、受けつけないものは受けつけない…

『若者は、選挙に行かないせいで、四〇〇〇万円も損してる!?』を読んで

僕が選挙権を得てかれこれ15年経とうとしていますが、これまでに選挙で投票したことは2回くらいしかありません(ちなみに2回とも白紙投票)。というのも、自分で「政治のことはわからない」と自覚しており、わからないから票を投じたくないという、妙なこだ…

4月の読書メーター

4月の読書メーター読んだ本の数:7冊読んだページ数:2553ページナイス数:5ナイス若者は、選挙に行かないせいで、四〇〇〇万円も損してる!? (ディスカヴァー携書)とても読みやすく、そして(青臭い理想論は抜きにした)現実的、合理的な切り口だった。「政…

レイモンド・チャンドラー著『ロング・グッドバイ』を読んで

村上春樹氏が絶賛する物語なので、随分前に一度読んでいました(清水俊二訳)。そのときは、ああ、確かに村上春樹の文体に似てるな、影響受けたんだな、という印象が強かったです。イチローのバッティング・フォームに川崎宗則のそれが似ていると感じるよう…

『竹下佳江 短所を武器とせよ』感想

僕が最初、この竹下というセッターを観たとき「ほほう」と目を奪われはしたが、正直好きになれなかった。上手いけど雑だとか、攻撃的だけど無駄が多いとか、中学レベルの知識でダメ出しをしながら観戦していた記憶がある。2003年のワールドカップの頃だろう…

カフカ著『城』感想

フランツ・カフカの『城』を読むのはこれで3回目か4回目になる。カフカの代表作といえば、朝起きたらなぜか巨大な虫になっていたという理不尽さが宇宙級の『変身』で、本当に衝撃的だった。キテレツな舞台設定だけでなく、物語全体に漂う、閉塞感、息苦しさ…

『村上春樹 雑文集』感想

インタビュー集に続けて読んだ。筆者の言う、苦手な喋りと専門分野である文章という違いはあれど、同じ人間の主張なので、より深く村上春樹という人物の核のようなものを感じ取れたと思う。そして、この2冊のハルキ本を読んだ結果、無性に外国文学を読んでみ…

ニコルソン・ベイカー著『中二階』感想

なんともかんとも不思議な小説だった。主人公の頭の中で思い描いている事柄すべてを文章に書き起したというような内容。でもそれはとてもリアルに描写されており、ああ、確かに自分の頭の中でも、オフィスを歩きながら、誰かと話しながらもこんなこと考えて…

『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』感想

物語を体験するというのは、他人の靴に足を入れることです。世界には無数の異なった形やサイズの靴があります。そして、その靴に足を入れることによって、あなたは別の誰かの目を通して世界を見ることになる。 昔、急遽フォーマルな皮靴が必要な用事ができ、…

村上春樹著『回転木馬のデッド・ヒート』感想

■「プールサイド」 35歳になった春、彼は自分が既に人生の折りかえし点を曲がってしまったことを確認した。 いや、これは正確な表現ではない。正確に言うなら、35歳の春にして彼は人生の折りかえし点を曲がろうと決心した、ということになる。 もちろん自分…