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映画「寄生獣」を観て

高校のときに流行った漫画で、まわりに流される格好で読んでみたのが最初。1995年あたりだろうか。意味不明の寄生生物に身体を乗っ取られた人間が、“普通の”人間を食い殺していくというフィクション。正直、あまりノリ気で読みはじめたわけではなかったが、…

乾くるみ著『イニシエーション・ラブ』を読んで

久しぶりに本を読んだ。一気に。長くはない物語なので1日で読むことができる。かなりおもしろかった。 まず、この本を読むに至った経緯としては、朝礼時に部下から「おすすめの本」として紹介されたから。普段、彼は小説を読まないそうだが、テレビの「しゃ…

映画「永遠の0」を観て

たしか2013年12月公開の映画で、前々から気にはしていたのだが、今になってやっと観ることができた。 原作は2009年に発売され、僕が文庫を読んだのは2010年8月。名作の一言につきる。僕がどうこう言うより、毎年夏に書店に行くと必ずと言っていいほど、大々…

角田光代著『八日目の蝉』を読んで

元々は読売新聞夕刊の連載小説だったらしい。その後2007年に単行本化され、2010年にドラマ化、2011年には映画化。映画化された当時、プロモーション・ビデオが秀逸で、かつ意味深なタイトル、そして「優しかったお母さんは、私を誘拐した人でした。」といっ…

井端弘和著『勝負強さ』を読んで

こういった類の書籍は、例外なくアマチュア時代のエピソードの方がおもしろい。プロに入ってからの活躍やスランプや怪我、そしてその裏側なんてものは、普通にスポーツ・ニュースやスポーツ・マガジンを追っかけているだけで、それ相応に情報収集できている…

『草野球をとことん楽しむ』を読んで

図書館でたまたま見つけて、なんとなく借りてみた本。しかし家に帰って、レビューサイトの「読書メーター」を見てみると、あまり既読者がいないようで、僕がこれまでに手に取った中でもかなりマイナー部類の新書のようであった。ので、期待値は低めで読みは…

朝井リョウ著『桐島、部活やめるってよ』を読んで

少し前に話題になっていた小説です。なんでも「第22回小説すばる新人賞」を平成生まれではじめて受賞した作品だとか。受賞は2009年。その後2012年に映画化されており、こちらも高評価だったそうで、おそらく僕の記憶にあるのは2012年の映画に関する評判を耳…

『バトル・ロワイアル』を読んで(2)

知ってる人しかわからないと思いますが、バトル・ロワイアルの登場人物に関して語らせてもらいます。 まず僕がこの小説を読んで最初にファンになったのが、相馬光子(女子11番)。まあいわゆるヤンキー娘で、カツアゲとか援助交際などをやっている設定。当然…

『バトル・ロワイアル』を読んで(1)

僕の中でかなり思い入れのある作品です。ご存じの方も多いと思いますが、中学3年生のクラスメイトで殺し合いをするというストーリー。映画化の際に、国会で取り上げられるなど話題になり、知った人も多いはずです。単行本の初版は1999年で、映画化は2000年。…

映画「終戦のエンペラー」を観て

上映前のから気になっていた映画ですが、ずるずると今日まで放置していました。休みが取れたので「まだやってるかな?」と調べてみると、金沢の映画館はどこも今日6日が最終日。滑り込みで観ることができました。そして一言感想としては、観て良かったなと。…

安部司著『食品の裏側』を読んで

同僚の紹介で、2005年初版と少し古いものですが、おもしろそうなテーマだったので読んでみました。食品添加物の話で、僕らが普段、毎日一日三食食べている食事の中には食品添加物がこんもり山盛りに入っちゃってるよ、知ってましたか、という内容。で、読み…

『英智スタイル48』を読んで

ドラゴンズ・ファンで、アンチ英智(ひでのり)な奴などいるのだろうか、否いないでしょう。そう断言できるくらい、ファンに愛されたプレーヤーだったと思っています。本名、蔵本英智。 一応、簡単に英智のプレー・スタイルを説明しておくと、守備、走塁のス…

映画「華麗なるギャツビー」の追記

しかし、この『華麗なるギャツビー』、って、僕にとっては、「なぜこれがアメリカの国民的な作品として、ずっと愛され続けているのか?」がわからないところもあるのです。 (略) なんというか、登場人物は、ロクでもない人ばかりなんですよ。裏稼業で金を…

映画「華麗なるギャツビー」を観て

非常にやっかいな物語、僕にとってそういう位置づけてある。というか、もう、そういう位置づけだったと言ってもいいだろう。スコット・フィッツジェラルドの『華麗なるギャツビー』のことだ。 というのも、1920年代を代表するアメリカ文学、否、1920年代どこ…

たまには音楽でも紹介します

ラジオを聴いていると、思いがけず「お、イイネ!」と思う楽曲に出くわすことがります。でもまあ、車を運転してるわけなので、メモを取ったりShazamを起動させたりできるわけでもなく、聴き流してそのまま忘れることもあるのですが、それでも調べて誰のどん…

伊集院静『逆風に立つ』を読んで

昨日、東京ドームでの引退セレモニー&国民栄誉賞授与式があった松井秀喜氏。もちろん、郷土のスターということあって長く応援してるし、注目もしているので、嬉しいニュースだと思いました(それもあって、この本を買ったのです)。 しかし、その松井の語る…

星新一『きまぐれロボット』を読んで

だいぶ前にNHKだったと思うが、星新一のショートショートをアニメ化している番組があった。5分程度の時間で、2~3本の作品を紹介していたと記憶している。非常にシュールでおもしろかった。また、ヴィレッジヴァンガードでも、星新一作品を漫画化し、何人か…

鳥越規央 仁志敏久『プロ野球のセオリー』を読んで

非常におもしろそうなテーマだったので買ってみた。ただ、第1章の「バント」に関するくだりが、ぐだぐだと長すぎる。この章を最初に持ってくる必要はあったのかなと思うが、全般的にはおもしろい内容だと思う。 ところで、僕が昔、音楽をやっていて身につけ…

村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を読んで

読了。村上作品にしては、かなりライトな気がするし、ストーリー、プロットも非常にストレートな印象がする。新たなる境地としての無駄が削ぎ落とされた作品と表現するか、テレビドラマのような大衆化された作品と感じるかは人それぞれだろうが。 主人公にし…

映画「ドラゴンボール」を観て

ドラゴンボールの映画を観てきた。ドラクエばっかやってるのもいかんなということで映画に出かけたのだが、観ているものは結局鳥山明の絵なのである。まあ別にいいけど。 この映画の評判はそこそこ良いようであるが、僕が下手なことを言ってハードルを上げた…

中田永一『吉祥寺の朝日奈くん』を読んで

吉祥寺の書店で偶然見かけたので、買ってみました。もちろん、著者の「中田永一」が「乙一」であることも知ってのことで。 この作品の著者は乙一ではないので、こんなことを言うのも的はずれかもしれませんが、乙一の最大の特徴として、物語にセックスの要素…

こころ中

ちまちまと、夏目漱石の『こころ』を再読しているのだが、この作品は、つくづく名作だと思う。 ただ漱石に関して、まともに読んだことのあるのが、この『こころ』くらいで、『坊ちゃん』であったり『吾輩は猫である』といった有名作品は手にとったことすらな…

下半期俺的優良書籍BEST3

こうして振り返ってみると、7月からの下半期、というか8月以降は、まった読書をしていないことがわかる。もちろん、ドラクエをずっとやっているからだ。そもそもの読了件数が少ないので、下半期は3冊のみピックアップしてみる。 3位 三浦しをん著『風が強く…

沼田まほかる著『九月が永遠に続けば』を読んで

春頃か夏前くらい、書店でやたらとパワー・プッシュしていたのでとりあえず図書館で予約。もちろんタイトルの通り9月に読みたいなと思っていたが、予約数が多く、11月になってやっと順番がまわってきた。まあ、そうは問屋がなんとやらだし、そもそも9月はド…

11月の読書メーター

2012年11月の読書メーター読んだ本の数:3冊読んだページ数:630ページナイス数:12ナイスMIX 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス)の感想僕にとっては、『タッチ』、『H2』に続いてのあだち作品。変わらない世界観と、新しい舞台がほどよくMIXされていると思…

『MIX』(1巻)を読んで

本当に久しぶりに買った漫画で、じゃあこの前に漫画を買ったのっていつかと思い返すと、『H2』。あだち充の『H2』でした。 もともと、あだち充が好きだったかと言えば、「まあ人並み」くらいで、『タッチ』にしても、それこそ「人並み」くらいにしか興味はあ…

小宮山悟著『天才なのに消える人凡才だけど生き残る人』を読んで

タイトルを見て、「凡人でも努力次第で成功できるんだよという」切り口なのかなと思って読んでいたのですが、そもそもこの小宮山悟という人間自体こそ「天才」の部類に属する人間であるような気がしてならなくなってきました。まず、無名の新設高校のピッチ…

田中慎弥著『共喰い』を読んで

芥川賞受賞直後のインタビューでの一風変わったパフォーマンスで注目を浴びた田中さん。僕はあまり良い印象はなかったのですが、その後しばらくして、どこかのテレビ番組でのインタビューを見て、印象が変わりました。「有名な作品は、土地と結びついている…

『グラゼニ』(1~3巻)を読んで

同僚に貸してもらった漫画。これがすこぶるおもしろいです。 まず、タイトルの「グラゼニ」という言葉ですが、「野球グラウンド+銭」という意味の造語。つまり、金銭面中心に語られる野球の話です。ピンチを脱した――給料上がるかも、大きなミスをした――査定…

2012年10月の読書メーター

2012年10月の読書メーター読んだ本の数:2冊読んだページ数:365ページナイス数:34ナイス100円のコーラを1000円で売る方法の感想価格、価値についての考え方を変えさせられる一冊。でも、もっと広く、マーケティング戦略について、サクっとまとめられている…